昇 「……って、おい」
アルベルト 「何ですか?ノボル」
昇 「いや、これって一体何なんだ?」
アルベルト 「見てのとおり、座談会です」
昇 「それで、何でテーブルと紅茶が用意してあるんだ? っつーか、そもそもここは何処?」
アルベルト 「座談会にはお菓子と飲み物が不可欠ですよ」
昇 「いや、だから……」
シェリア 「ノボルも早く来なさいよ。せっかくのお茶が冷めちゃうわよ」
昇 「だーかーらー」
ショウ 「作者が一度やってみたかったそうだ。登場人物による後書きってやつを」
昇 「って、ショウ!? 仕事で出かけたんじゃなかったの?」
ショウ 「座談会をやるから来いって連れてこられた」
昇 「誰に?」
ショウ 「さぁ。作者じゃないのか?」
昇 「『さぁ』って」
シェリア 「ちなみにこの子も来てるわよ」
昇 「え?」
まりい 「みんな久しぶり。今日はよろしくね」
昇 「椎名!? 何で!?」
シェリア 「ほんとひさしぶりー。会いたかった」
まりい 「私も。ずっと会ってなかったんだもん」
ショウ 「ずっとって、まだあれからそんなに日はたってないはずだぞ」
まりい 「私にとってはずっとなの! 本当に会いたかったんだから」
ショウ 「…………」
昇 「あのー。何で地球や空都(クート)にいるはずのオレ達がここにいるかとか、そもそもここは何処だとかそう思ってるのはオレだけですか?」
シェリア 「そんなの考えたらきりがないじゃない」
アルベルト 「座談会とはそういうものなんです」
昇 「そーなのか? それでいーのか!?」
ショウ 「あきらめろノボル。そうしないと話が進まない」
昇 「……わかった」
アルベルト 「ノボルが納得してくれたところではじめましょうか。そもそも、この作品は第二部なんですよね」
昇 「ってことは、第一部があるのか?」
シェリア 「うん。舞台は今と同じく空都(クート)。主人公はシーナ――まりいね」
アルベルト 「ちなみにここにいる昇以外の全員が登場済みです」
昇 「そーなの? 椎名」
まりい 「……うん」
昇 「知らなかった……」
まりい 「ごめんね。いい出せなくて」
昇 「いや、ちょっとびっくりしただけだから気にしなくていいって。そっか。だからショウもシェリアも椎名のことを知ってたわけだ。でも何で椎名は空都(クート)に来たんだ? オレみたいに単なる偶然?」
まりい 「それは……」
アルベルト 「その話は後程と言う事で。第一部の方はいずれ公表する予定ですのでしばらくお待ちください」
シェリア 「ちょっと付け加えるなら、第一部の主人公『シーナ』は椎名まりい、第二部『EVER GREEN』で言うところの大沢まりいね」
昇 「そうそう、質問なんだけど、なんでみんな椎名のこと『シーナ』って呼んでるんだ?」
シェリア 「誰かさんが苗字の椎名を『シーナ』って名前だと勘違いしたのよ。あと記憶喪失だって」
昇 「記憶喪失?」
ショウ 「………………」
シェリア 「詳しいことは第一部でね」
まりい 「もう一つ付け加えると、ショウは第一部の主要メンバーだったから、第二部ではわざと顔見世程度にしか出さなかったんだって」
昇 「…………(そのせいでオレはひどい目にあってるんだぞ!)。どーでもいいけど、これって座談会と言うより作者の言い訳になってないか?」
アルベルト 「それを言ったらおしまいですよ。言っていいことと悪いことがあるんですから」
昇 「でも事実じゃん」
アルベルト 「まあそうなんですけどね。大目に見てあげてください」
ショウ 「なんだか作者のまわしものみたいだな」
アルベルト 「そんなことありませんよ。おや、もうそろそろお開きの時間ですね」
昇 「って、勝手に仕切ってるし」
アルベルト 「では皆さんすみやかに自分の持ち場へ帰ってください。ちなみに、ここでの出来事は記憶から抹消されますのであしからず」
昇 「なんだよそれ」
アルベルト 「ここはそういう場所なんです」
昇 「そういう場所ってどういう場所なんだよ!」
アルベルト 「つべこべ言わずに帰りなさい!」
ドカッ。
昇 「てめぇ、また……」
ぱたっ。(昇、床に倒れてそのまま消える)
一同 『…………』
ショウ 「『また』って、前もやられたのか?」
シェリア 「一番最初に空都(クート)に来たとき。アルベルトに壷でおもいっきり 」
ショウ 「…………(だからって椅子で殴らなくてもいいんじゃないか? それにノボルじゃないけど、ここって見覚えがあるような……)」
アルベルト 「なにか?」
ショウ 「なんでもない。じゃあ俺も帰らしてもらう」
まりい 「じゃあ私も。ショウ、またね」
ショウ 「……またな」
ショウ、まりい、椅子から消える。
シェリア 「みんながいなくなったところでアタシも。みんなまたねー」
シェリア、椅子から消える。
アルベルト 「…………」
無言でお茶を片付ける。
アルベルト 「なんとかごまかせましたね。ショウは半分気づいていたみたいですけど」
お茶を片付けながら、
アルベルト 「ではみなさんごきげんよう。第二回もお楽しみに」
2003年 4月14日 某所にて