拍手その2

この見上げた空に〜5YearsAgo〜

 空はとても青かった。
 なんだろう。どこかに穴が開いたような気がする。
 おれは何か忘れてる? そんなことない。
 でもなんだろう。怖くて哀しくて切なくて、優しいもの――
「昇ー?」
「今行く!」
 もう一度空を見ると、オレは友達のところにむかった。

 答えが出るのは五年先。
 
 『EVER GREEN』coming soon


この見上げた空に〜5YearsAgo〜


 空はとても青かった。
 授業参観の帰り道、
「どうして私はこんな名前なの?」何度も先生に聞いた。
 でも先生はちゃんと教えてくれなかった。
 私にはお父さんもお母さんもいない。いつか、会える? 私を捨てた人に。
 答えが出るのは五年先。

『EVER GREEN』coming soon



この見上げた空に〜5YearsAgo〜
 空はとても青かった。
 来る日も来る日もお勉強ばかり。嫌になっちゃう。
 でもアタシは負けない。約束があるから。
 『誰よりも純粋で深い傷を負った子供』一体どんな子なんだろう。アタシはその子と友達になれる?
 アタシはお父様もお母様も優しくないけれど、その子はアタシを必要としてくれる?
 「早く来なさいよね」
 名前も知らない子につぶやいた言葉は空にとけた。
 答えが出るのは五年先。

『EVER GREEN』coming soon



この見上げた空に〜5YearsAgo〜

 空はとても青かった。
『友達の大切な人を捜してくる』父さんはそう言っていなくなった。
 大切な人なんて、親以外いないのに。人を探しに行って、自分がいなくなったら意味ないじゃないか。
 母さん死んだんだよ? 看取ってもやれないのか?
 何かを代償とするのなら、出会いなんていらない。
「別れはすんだか?」
「ああ」
 答えが出るのは五年先。

『EVER GREEN』coming soon



この見上げた空に〜5YearsAgo〜

 空はとても青かった。
 子供達は旅立った。それぞれの場所へ。
 俺も道化を演じていかなければならない。
 だから。
「早く帰って来い」
 扉が開かれるのはいつになるのだろう。
 答えを出すのは五年先。

『EVER GREEN』coming soon