拍手その6
もしもシリーズ。その1 夏樹が空都(クート)に行ったなら
夏樹 「……ここ、どこ」
アルベルト「異世界ですよ」
夏樹 「……そうなんだ」
アルベルト「驚かないんですね」
夏樹 「充分驚いてるけど……皐月さん、右!」
皐月 「わかってる。まかせて(剣を一振り)」
夏樹 「すごいですね。先輩」
皐月 「こんなのでほめられても嬉しくないけどね」
アルベルト「お二人とも、初めてでここまでやれるのなら大したものです(足元には獣の屍累々)」
夏樹 「あんたもすごいな。昇の師匠のことだけはある(とか言いながら獣を弓で射落としたりしている)」
アルベルト「お褒めにあずかり光栄です(笑顔で敵を葬り去る)」
昇 「なんでそう反応が淡白なんだ夏兄。しかも普通に違和感ないんですけど(汗)」
もしもシリーズ。その2 昇とショウの姉が入れ替わったら
昇&ショウ『…………』
まりい 「二人ともかたまってるよ?」
昇 「全っ然んなことないって。なー、ショウ」
ショウ 「なんで俺にふるんだ」
昇 「まさかショウが『究極の選択だ。綺麗なお姉さんもいいけど、もっと綺麗なお姉さんも捨てがたい』なんて思ってるわけないよな」
ショウ 「それはお前だろ。まさかノボルが『あんな凶暴な姉、むしろもらってやってくれ。後でどうなっても保障はしない』とか思ってるわけないだろ」
昇 「お前んなこと思ってたのか」
ショウ 「お前だって――」
昇&ショウ『……ん(殺気を感じて振り返る)?』
まりい 「二人ともそんなふうに思ってたんだ(なんかすごみのある笑み)」
ユリ 「あなた達、人をなんだと思ってるのかしら(にっこり。なぜか指をならす音が)?」
昇 「ショウ、お前のねーちゃん怖いんですけど」
ショウ 「……お前の姉貴も充分怖いぞ」
もしもシリーズ。その3 昇が主役のラブコメ
シェーラ 「無理だ」
シェリア 「無理よね」
アルベルト「無理でしょう」
昇 「なんでそこで否定する!」
シェーラ 「物理的に無理だろう。お前に恋愛話など」
シェリア 「力学的にも無理よね」
アルベルト「いかなる分野から探りをいれたとしても、無理なものは無理です」
昇 「お前ら、人を一体なんだと……」
シェリア 「そもそも、作者が書く気ないから仕方ないじゃない。『昇に恋愛は似合わない』言ってるのよ?」
アルベルト「不幸をせおってこそ一人前の主人公です」
昇 「ちくしょー! いつか絶対モテモテになってやる! 義理じゃないチョコレートもらってやる! わけてくれって言われても絶対渡さねーからな」
シェーラ 「……どこまでも志が低い男だな」
もしもシリーズ。その4 まりいがアルベルトの弟子だったら
昇 「悪いことは言わない。絶対やめろ。なにがなんでもやめるんだ」
まりい 「そうなの?」
ショウ 「俺もノボルに賛成。あの人はつかみどころがない」
昇 「そんな生やさしいもんじゃないって。あいつの通った道には草一つ残らないんだぞ?」
まりい 「それは言いすぎなんじゃ……」
昇 「言い過ぎなんかじゃないって。雑用ばっか押しつけやがって。あれじゃどこかの小姑じゃねーか」
まりい 「昇くん、うしろ……」
昇 「後ろ(振り返って絶句)?」
アルベルト「相変わらず、あなたの口は無駄なことばかりしゃべるようですね。そんなに強くなりないのなら、みっちりしごいてあげましょう」
昇 「いや、オレはマイペースで……(そのまま首根っこをつかまれる」
アルベルト「では失礼します(笑顔で弟子をずるずるとひきずる)」
ショウ 「ああなりたくはないだろ?」
まりい 「……うん」
もしもシリーズ。その5 あいつが師匠になったら
師匠「これ、そもそも予告編じゃん」
弟子「そう言わない言わない。おれだって早く登場したくてたまんないんだぜ? なのに師匠の話がいつまでたっても――」
師匠「ストップ! どーみてもネタバレだろ」
弟子「今さらだと思うぞ? むしろおれが誰かをあててほしいよな」
師匠「それこそ無理があるぞ」
弟子「あーあ。早く登場したい! んでもって大活躍しまくりたい!」
師匠「それがねらいか」
弟子「我が家の家訓、第三条! 過去は水に流すべし」
師匠「ただのことわざだろそれ。使い方も間違ってるぞ」
弟子「気にしない気にしない。だから師匠はげるんだって」
師匠「誰がはげるか!」
弟子「あれ違うの? 姉ちゃんがそう言ってたけど」
師匠「俺は大人、俺は大人……(ぶつぶつ)」
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