拍手その7

間違った認識。その1

昇  「あのさー。空都(クート)って獣倒したらお金入ってくんの?」
ショウ「は?」
昇  「だってさ、ゲームとかでよくあるじゃん。モンスターたおしたら宝石とかお金とか入ってくるって」
ショウ「どこをどうやったらそんなふうになるんだ(ジト目)?」
昇  「へ? 違うの?」
ショウ「獣の種類によっては毛皮が売れるやつもある。けど大抵は食用じゃないし売っても大した額にはならない」
昇  「へー」
ショウ「売れる奴もあるけど、そのぶん危険度も大きい。大体獣を倒して大金が入るなら、俺は今頃大金持ちだ」
昇  「確かに」
ショウ「要はちゃんと分をわきまえて行動しろってこと」
昇  「はー。どの世界もそう甘くはないってことか」
ショウ「お前の髪の毛と一緒だ」
昇  「お前までんなこと言うな(涙)!」


間違った認識。その2

シェリア「ねえノボル。地球って学校がたくさんあるのよね?」
昇   「そーだけど?」
シェリア「じゃあ高度な術を使える人がたくさんいるの?」
昇   「は?」
シェリア「だって地球の学校じゃみんな勉学に励んでいるからとんでもない術を使う人がたくさんいるって。
     でも学校には高度な結界がはってあるから使うことができないってアルベルトが」
昇   「念のために聞くけど、他にはどんなことを聞いたんだ?」
シェリア「えーと。地球の学校じゃ、夜には必ず悪霊が出てくるから遅くまで残ってたらいけないのよね?
     夜になったら『ケービイン』っていう神官が悪霊退治に来るって……ノボル?」
昇   「シェリアさん。なんでもかんでもあいつの言うことを真に受けるのはやめましょう(肩をつかんで)」
シェリア「じゃあ地球の学校って何を勉強してるの?」
昇   「オレとしては空都(クート)の学校で何を勉強してるのかを知りたい(汗)」

間違った認識。その3

夏樹「従弟として一つ忠告したい」
昇 「急になんだよ夏兄」
夏樹「(真面目な顔で)人の趣味をあれこれ詮索するつもりはない。でも女の格好をするのは男としてどうかと思う」
昇 「誰が女装趣味だ!」
春樹「えー。違うの? せっかく似合うと思ってこれ持ってきたのに(なぜかワンピース取り出して)」
昇 「どこだ! 一体どこからの情報網だ!」
春樹「とある筋からデス」
夏樹「とにかく。詮索はしないからその格好で俺のそばによるのだけはやめてくれ」
昇 「誤解だって! あの時だって無理矢理――」
春樹「したことがあるんだ(にやり)」
昇 「あれはっ! そのっ」
夏樹「…………」
昇 「そこ! 微妙に距離を置くな夏兄!」


間違った認識。その4

諸羽   「大沢ってさ、いつハゲるの(唐突に)?」
昇    「ハゲんわっ!」
諸羽   「えー。ハゲた方が面白いのに」
昇    「オレをネタ扱いするのはやめてください」
シェリア 「ダメよモロハ。ただでさえ傷つきやすい年頃なんだから」
シェーラ 「そうだ。ましてや運動神経はほとんどない。あまつさえ人並み以上なのは運の悪さと反射神経(逃げる時だけ)と言ってはいけない」
アルベルト「そうですね。これだけやっても上達しないのは、ある意味一つの才能だと言ってもいけませんね」
シェーラ 「そう悲観することもあるまい。どのような状況でもあいつよりマシだと思えば何事も明るく思えるのではないのか?」
諸羽   「そっか。シェーラいいこと言う! 確かに大沢よりひどい人間ってなかなかいないもんね」
アルベルト「そうですね」
シェリア 「そうよね。ノボルと一緒にいれば、どんな時でも明るくすごせるような気になるわよね」
昇    「……オレ、なんでこんな奴らと一緒にいるんだろう(遠い目)」


間違った認識。その5

まりい「ねえショウ。もしかしてショウって王子様だったの?」
ショウ「……っ(むせたらしい)、誰だ! そんなこと言った奴は!」
まりい「だって……」
ショウ「(咳払いして)あのな。仮にそうだったとしても、俺にそんなことができるか?
    俺に陛下のような格好をしろって言うのか?」
まりい「ううん。似合わない(くすくす笑って)」
ショウ「だったらそんな話はするな」
まりい「じゃあ、子供の頃から大の甘党で、動物が大好きだったってことは?」
ショウ「…………」
まりい「ショウ?」
ショウ「何でもない(そっぽむいて)」

ユリ 「なかなか進展しませんね。あの二人も(物陰から)」
青藍 「まああの二人だしな。ところで王族云々って話は冗談だよな?」)
ユリ 「さあ(微笑んで)?」
青藍 「え!?」